アメリカで承認された免疫療法「樹状細胞療法」の可能性

樹状細胞療法について

ここでは、「樹状細胞療法」の治療はどのようなものか、説明していきます。

まずはどんなものなのかを知る

免疫反応において働く細胞は、主に白血球です。樹状細胞ワクチンのイメージ写真
その白血球は「単核球」と「顆粒球」に分類され、「単核球」はリンパ球と単球に分けられ、「単球」は、マクロファージと樹状細胞に分類されます。

樹状細胞は、貧食細胞と言われる体の中のお掃除細胞で、免疫反応を免疫細胞たちに指令する抗原提示細胞であります。がん細胞の特徴(目印)をリンパ球に教え、自然免疫(NK細胞)と獲得免疫(Tリンパ球、Bリンパ球)とを活性化させる、重要な細胞です。樹状細胞は、がんを食べたあとバラバラに分解し、その分解されたがんの特徴的な印をリンパ球に教えます。

つまり、体の中の免疫細胞たちが、がん細胞をやっつけるための司令官の役割を持っているのです。

⇒白血球の一部である単球と呼ばれる細胞を患者さんの末梢血から取り出し、樹状細胞へと培養し、手術でとり出したがん組織や、人工的に作られたがんの目印を与え、患者さんの体内に戻す治療が、樹状細胞療法です。

治療の流れ

実際の治療では、培養した「樹状細胞」を約2週間に1回のペースで注射する方法が多いです。基本的に皮内に注射するだけなので、患者さんには、ほとんど体の負担はないようです。治療期間については、医療機関によって異なるようですが、数ヶ月~半年のようです。

樹状細胞療法の種類

樹状細胞療法は、下記のように、大きく3つの種類に分けられます。

  • 自己のがん組織を用いた樹状細胞療法
  • 人工のがん物質を用いた樹状細胞療法
  • 樹状細胞をがんに直接注入する療法

上記のうち、自己のがん組織を用いた樹状細胞療法は、もっとも古く、またシンプルな方法で樹状細胞を標榜している医療機関であればどちらでも行えるといえます。
理由としては、この治療法は特許で縛られていない(もしくは特許で縛らていたとして治療自体には大きな違いがない)からです。樹状細胞をがんに直接する注入する療法についても同様なのですが、医師の手技を必要とされる分、限られたところで行われているというのが現状のようです。
人工のがん物質を用いた樹状細胞療法は特許の関係上、特定の医療機関でなければその治療法が受けられません。樹状細胞療法といいましてもいろんな種類があるため、どの治療がすい臓がんにとって実績があり、良いと思われる選択肢なのか調べなければなりません。

よりよい樹状細胞療法を実践している医療機関を探すためのポイント

日本でも樹状細胞療法を標榜する医療機関をインターネットで調べると見ることができます。
そこで膵臓がんの患者さんが樹状細胞療法を選ぶための判断材料として以下のポイントを挙げてみました。

  • 樹状細胞の品質
    樹状細胞の品質は、既に論文で報告されています。樹状細胞の細胞数が一回の投与で約1000万個以上、 樹状細胞の純度が80%以上、生存割合が70%以上、CD83という検査値が+であること、CD86 という数字が+であること、MHCclass1という数字が+であること、といった検査値が樹状細胞の代表的な品質データです。それをまず確認することで、きちんとした樹状細胞であるかどうかの判断ができるとともに、それをやっているかどうかが信頼性にもつながると考えられます。
  • 特許技術
    すい臓がんで実績のある特許技術の有無の確認をします。特にWT1ペプチドはすい臓がんに対して優れた特許技術といえます。
  • 症例実績
    症例実績が多いほど、当然のことではありますが、すい臓がんに対する免疫治療を上手にマネジメントしてもらえる指標となりうるといえます。
  • 論文実績
    いかに症例実績が多いとWEBなどで公表していても、実際に論文としてまとめられていないと治療の信頼性はかけるのではないでしょうか。また論文を書くためにはその治療の知識がそれなりになければ書くことができないともいえます。さらにいうとすれば欧米の論文に投稿しているかどうかも重要です。欧米の論文は審査が厳しいため、ちょっとした諸例結果や報告では論文雑誌には載せてはくれませんので、海外論文に報告されている医療機関は信頼ができるといえるでしょう。
 
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