アメリカで承認された免疫療法「樹状細胞療法」の可能性

三大療法との違い

ここでは、「外科手術・抗がん剤治療・放射線療法」の三大療法と免疫療法の違いについて解説します。

局所療法のみの限界

すい臓がんに一般的に施されてきた治療法は、「外科手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」の三大がん治療法です。しかし、初期のすい臓がんを除くと、それだけでは完治はかなり困難と言わざるを得ません。そこに第四の治療選択肢として免疫療法、とりわけ世界でも実績があり、評価されている樹状細胞療法が日本でもにわかに注目されています。

第四のがん治療法である免疫療法は、三大療法とうまく組み合わせることにより、大きな効果が期待されています。中でも、樹状細胞療法の研究開発は日本を含め、世界中でかなり進んでいます。また、三大療法との併用の研究も進んでおり、すい臓がんに対しても報告が出てきています。

外科手術と放射線治療は局所療法ですが、その技術の進歩は日々目覚しいものがあります。
特に放射線治療については、重粒子線治療や陽子線治療など、インターネットやCMで目にする機会が多くなってきましたが、いかに素晴らしい最先端の装置であったとしても、局所療法はあくまでも局所療法であり、がん細胞が一つでも遠くに飛び散っており(転移)、放射線照射範囲から外れてがんが存在していれば生き残り、そこからまたがんは増殖していきます。がん細胞が例え一個であれ、放射線の照射漏れ、他の場所(臓器)に既に「飛び散ってしまった」がんの場合、それに対しては100%殺傷することはできません。
早期のがんでない限り、がんの特徴である浸潤、転移、再発に対する根本的な治療保障というのは局所療法ではなく、ましてやすい臓がんなどの進行(転移、再発)の早い難易度の高いがんには、さらに局所療法で完治するのは他のがんに比べて厳しいと言えます。

全身療法(抗がん剤)の限界

これに対し、抗がん剤治療は全身治療です。

しかしながら、悪性度の高いすい臓がんについてはいったん進行(転移、再発)してしまうと、なかなか効果が見込めないのが現状ではないでしょうか。
三大治療の範疇ではすい臓がんもステージⅣ期ともなると、抗がん剤治療のみとなります。しかし、始めは効いても、がん細胞は完全には消滅しません。そして「抗がん剤の作用をうまくすり抜けた」がん細胞はより強力な細胞となって、抗がん剤をもろともせず増殖していきます。

また抗がん剤は、増殖力のある細胞をほとんど無差別に攻撃するという特徴から、正常細胞でも増殖を頻繁に繰り返す細胞に対して大きなダメージを与えてしまいます。これが副作用です。血液や髪、消化管がいい例です。
その副作用に苦しみ、結果として治療が受けられなくなるケースも多くなるようです。

がん治療に不可欠な武器「免疫力」

健康な人でも1日に5,000個程度の細胞が、「がん化」していることがわかっています。
三大療法により、がんが治り再発もしないケースも少なくはありませんが、これらにも体が本来持つ免疫力も当然深く関与していることは間違いないのではないでしょうか。
人間の持つ免疫力が、そもそもがんの増殖を抑えていることを考えると、免疫療法は基本的に理にかなっている治療でありますし、条件によって効果が見込める治療法でありますし、がん治療の一つの選択肢と言えると考えられます。

ただし、それでは免疫療法だけでがんが完全に治ると考えるのは、非常に危険だと思います。
これまで実績を積み重ねられてきた三大療法とうまく融合させることで、よりがん治療の効果も発揮されるものと考えられます。
今後はこのような考え方は、もっと主流になってくることは間違いないのではないでしょうか。

 
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抗がん剤治療以外のすい臓がん治療について考える