最新の放射線治療
近年、難治性の局所すい臓がん治療に粒子線治療が行われるようになってきました。
周りの正常な臓器を避けて、すい臓がんの部分だけをピンポイントに照射し、これまでの放射線治療以上にがん細胞を殺傷することができる治療として注目されています。
粒子線治療には、主に重粒子線治療と陽子線治療というものがあります。
従来より放射線治療で用いられているのはエックス線でありますが、エックス線は、体に当たると皮膚から1~2cm奥でエネルギーが最も強くなり、さらに奥に行くほど弱くなっていきます。
したがって照射したいがんの箇所以外の正常細胞にもあたってしまうのが問題でした。
一方、粒子線は、体の奥へ入った後、一定のところで急速にエネルギーが強まり、直後に消えるような特徴を持っています。
つまり強力なエネルギーを一点に集めることができるので目的のところにピンポイントで当てることができ、また周辺の正常組織をダメージを抑えることができるのです。
粒子線治療をすい臓がんへ応用
現時点では、粒子線治療が対象となるのは、肝臓や肺などの遠隔部位に転移のない、局所の進行したすい臓がんです。
すい臓がんは周辺の重要な欠陥に浸潤していなければ状況によって手術が可能です。
一方、血管に浸潤していまうと手術ができませんが、それが軽度であれば粒子線の適応の可能性があると考えられます。
最近、粒子線のような最新の放射線治療に化学療法を併用する化学放射線療法の試みが行われるようになってきています。
このように粒子線治療は近年期待されている治療の一つですが、副作用が強いということもあります。
例えば正常組織に強いエネルギーがあたってしまうと、例えば近くの臓器である胃や十二指腸にあたると、潰瘍ができてしまったり穴が開いてしまったりすることもあります。
それによって食事ができなくなってしまったりすることがあるのです。